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時代の変化に左右されない焼肉店『羅生門』。その実態に迫る

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1980年のオープン以来、四ツ谷で長年愛され続けている焼き肉店「羅生門」。
 
オープンした飲食店の35%が1年以内に閉店しているという昨今、お肉の質にとことんこだわり続け、多くの舌をうならせてきました。そこで今回は、店長の山本将之さんにお話を伺い、羅生門が愛される理由を探ってきました。

1.30年以上変えていない営業スタイル

―オープン当時のお話を教えてください。
昔はフジテレビが近くにあったこともあり、テレビ業界の方が多く利用してくれていて、今でもその方々に支えられています。オープン当初から営業時間は16時から翌朝5時で、それも当時から変えていません。
 
―16時から翌朝5時と言うと、客足に差がありそうですが…
確かに多くなるのは19:00~20:00の時間帯ですが、基本的に昔の営業スタイルを変える気はありません。ほとんどがリピーターの方なので「あそこだったらいつでも開いてる」と思って来てほしいです。
 
―リピーターが多いということですが、どういったお客様が多いですか?
ご家族でのご利用が多いですね。お店自体が長いということもあって、お子様が大きくなって家族や知り合いを連れてきて…というパターンも多いです。世代を越えて利用してもらえるのは嬉しいですね。

2.なぜリピーターが多いのか

―接客面で意識されていることはありますか?
目配り、気配りは常に意識しています。今、大体どこのお店でもテーブルの上に店員を呼ぶピンポンを置いていると思いますが、うちはあえて置いていません。お客様が店員を呼ぶ前に店員が気付くようにしているからです。
 
―今、ネットで予約できる飲食店が多いと思いますが、羅生門さんは違いますよね?
お得意様が多いので、その方々はネットではなく電話で予約しています。名前を聞かなくても声ですぐわかる方も多いですし、電話はコミュニケーションツールだと思っているので、今のところネット予約は考えていません。

3.本物の特選和牛とは

―料理のこだわりを教えてください。
これも昔から変えていないことですが、お肉の質にはこだわっていてA5ランクの和牛を使用しています。また、調味料などは本場の韓国から取り寄せています。
 
羅生門のミスジポン酢
肉本来の味を楽しめるミスジポン酢。この日は弊社の打ち上げで利用させてもらい、贅沢にいただきました。
 
メニューに関してもオープン当初から変えていないものがほとんどだそうで、今でも昔の味を堪能できるのは、羅生門が長年愛され続けている理由の1つ。また、見た目から肉の上質さを感じられるのは、さすがとしか言いようがありません。
 
羅生門の漬けカルビ
フルーツとカルビを一緒に焼いて頂く漬けカルビは、来店したら絶対食べたくなる逸品です。羅生門の歴史の中では、比較的新しいメニューだそう。

4.1番の効果は口コミ

―メディアの取材は多いですか?
人手が限られているので最近は少し遠慮させていただいています。取材を受けると確かに反響はありますが、今来ているお客様を大事にしたいと考えています。そして、お得意様のつながりでお客様も増えているので、特別集客に力を入れているわけではありません。

5.さいごに

驚いたのは、1980年から実績のある『羅生門』が、長い年月を通してほとんど営業スタイルを変えていないということでした。昔から来ているお客様がいつでも安心して来れるお店であることにこだわり続け、また、上質な料理のみならず、目配り気配りの行き届いた接客を通して、着実にファンを増やしています。
ここ数年、肉ブームは続いており、かつてないほど和牛価格の上昇が続いています。そんな状況下で真価が問われるのは、メニュー価格が上がってでもまた来たいと思えるお店であるかどうかです。羅生門は昔から定評のあるお店ですが、その人気に胡坐をかくことなく質の高い料理と場を提供し続けています。その決してぶれない軸があるからこそ、揺るがない地位を保っているのだと今回の取材を通して感じました。

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Livewire 編集部Livewire 編集部
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