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働きすぎの日本人が参考にすべき「Smart worker」の考え方

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働きすぎの日本人が参考にすべき「Smart worker」の考え方

こんにちは!PrmaCeed営業担当の福岡です。
職場によっては、厳しい就業規則があったり、「先輩より先に帰りづらい」など、残業文化が有名な日本ですが、こういった日本の働き方に比べて、他国の働き方はどうなんでしょうか?

私は以前オーストラリアに一年間住んでいたので、今回はオーストラリアの働き方と、日本の働き方を比較してみようと思います。

オーストラリアに住んでいて印象に残ったのは、日本に比べて圧倒的に残業が少ないということです。これにはどういった背景があるのでしょうか?
また残業以外にも、働き方に関する違いは、少なからずありそうです。

日本とオーストラリア両国で就業経験のある、オーストラリア人のバージェス氏の見解も交えながら考えてみました。

オーストラリアの残業の考え方

まず、冒頭でも述べた残業の少なさですが、仕事の捉え方自体が、オーストラリアと日本で全く異なっていました。

オーストラリアの仕事に対する考え方の特徴

  • 仕事とプライベートの線引きが日本よりしっかりとしている
  • 本当にやらなきゃいけないことのみをやる

例えば、私は観光地で働いていたので、8月のサマーバケーションが繁忙期でした。
繁忙期の残業はというと、2週間で6時間程度と少なかったことが印象に残っています。
働きたくないという訳ではなく、優先順位をつけて、その日の最低限のタスクを終わらせる、という感覚です。
例えば、私が翌日の準備などしようとすると、「それは明日で良いよ~」と言われていました。

これはオーストラリアでは一般的なことなんでしょうか?バージェス氏に聞いてみました。

バージェス氏

バージェス氏:
そうですね、一般的な考え方だと思います。Smart workerという総称に考え方が反映されているのですが、以下が主なポイントです。

Smart workerの特徴

  • 仕事の締切りを把握
  • その日に何をすべきなのか、タスクを明確化

例えばミーティングですが、時間のロスが無いよう、始まりと終わりの時間を決めて、むやみに長引かせません。ただ、以上のことを踏まえて業務にあたっていても、残業が発生してしまう場合は出てくるでしょう。
残業については法定のルールがあるのですが、以下は大きなポイントだと思います。

オーストラリア

  • 会社側は残業を強制できない。
  • 残業時は賃金を上げなければならない。

フェア・ワーク法 / 労働基準法 (オーストラリア連邦法)

よって、残業が必要になった場合は、賃金をアップするから、残業しませんか?と人を募り、手を挙げた人が残業します。
残業代は大体2倍に上がるので、企業側も極力残業をさせたくない、という構図になり、無駄な残業が発生しにくい環境が生まれていると思います。
残業を要す事態は、マネジメント側の責任、という考え方が大きいのだと思います。
だた、取引先も含めて残業をしないので、急な対応に追われるということ自体が少ないこともポイントだと思います。

残業が生まれにくい環境が、法律で整備されているんですね。残業時の賃金アップが、残業の抑止力になっているようです。

また、オーストラリアでは、休日は一日中賃金が2倍になることが一般的です。
オーストラリアでの賃金や休日の考え方について次の章で見ていきましょう。

賃金や休日の考え方の違い

オーストラリアでは、土日・祝日と夜間にも賃金が2倍程度に上がります。
この理由について、またまたバージェス氏に聞いてみました。

バージェス氏:
休日に働く人に対して、家族との時間を満喫できない分、還元しようという考え方になっているようです。
いわゆる“ファミリーファースト”という考えなのですが、被雇用者だけでなく、国も企業も同じように“ファミリーファースト”を意識している事が、大きなポイントです。

国・企業のファミリーファーストという意識が、賃金に反映されていたとは。
さらに、この意識は育児休暇にも反映されているようです。

私の職場にいた男性上司は、子供が生まれた直後に2週間の育児休暇をとっていました。
日本の場合、女性の育児休暇の取得例はあっても、男性が育児休暇を取得する例は非常に少ないですよね。

バージェス氏:
育児休暇については、国が二週間分の給与を保障するので、男女ともに取得するのが普通です。
あとは、Shick leaveという制度で、有給(20日間)とは別に体調不良時の有給として10日間の休暇が保障されています。
しっかりリフレッシュする態勢が整っているので、細かく有休を消化せず、20連休など長期で休む傾向が強いです。

ちなみに、日本の有休消化率はワースト1位。
↓世界の有給消化率について参照
https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2016/

さすが日本人、Hard worker!!働きすぎですね。
残業=美学 という日本独特の考え方もあるので、捉え方は人それぞれですが…。

オーストラリアでは第一優先はダントツで家族やプライベート、という意識は高かったと感じました。
仕事は時間内でベストを尽くし、プライベートの時間をしっかり作ることが『仕事ができる人』となります。逆に残業をしなくてはならない人はかっこ悪い人、と見なされるようです。

働きすぎを解消するために日本人がすぐできることは?

法律や会社のルールに関わることは、すぐには変えられませんが、何か参考になる考え方や、取り組みはあるでしょうか?
ファミリーファーストとは少し違った視点から、仕事を効率化して早く終えるためには何ができるかを考えてみましょう。

社内のコミュニケーション

弊社では、部を超えて仕事帰りに飲みに行くこともしばしばあります。
飲み会自体は、どんな会社でもあることだと思いますが、目的意識を共有することがポイントになると思います。

普段、お互いがどんな仕事をしているのか分からない同僚とコミュニケーションは、思わぬところで仕事効率化のアイディアを生むきっかけになります。
ただ飲みに出掛けるのではなく、ポジティブな目的をもつことがポイントになってきます大切ではないでしょうか。

オーストラリアでも、コミュニケーションを目的とした取り組みがあるようです。

バージェス氏:
すべての企業ではないですが、夕方、もしくはランチタイムから、アルコールを楽しむことを企業が奨励する場合が少なくありません。

これはコミュニケーションが主な目的で、みんな一週間頑張ったから、みんなで乾杯しよう、という考え方のもと、他の部やポジションを超えた飲み会が開かれます。

その後仕事に戻る人もいれば、飲み続ける人もいますが、時間を共有することで、チームビルディングにも役立ちます。

チームビルディングという考えは、日本ではあまり意識されていないかもしれません。マネジメント側の考えが大きく影響する視点ですね。

いかがでしたか?

日本人は国際的に見てもトップクラスのHard worker(ハードワーカー)です。
急な用件などで、残業が発生してしまうのは仕方ない場合がほとんどだと思いますが、こういった働き方に疑問を感じている方は少なくないのではないでしょうか?

今回ご紹介したオーストラリアのSmart worker(スマートワーカー)やファミリーファーストといった考え方を参考に、ときには改めて自分の働き方を見直してみることも必要かもしれませんね。

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Livewire 編集部Livewire 編集部
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