2019年クリエイティブな新卒採用サイト5選

ここ数年で、おおきく変動している新卒採用スケジュール。2019年卒の採用スケジュールは、昨年同様「2018年3月1日」に解禁、「2018年6月1日」以降に選考開始と発表されました[i]。
新卒生の求人倍率はここ数年増加傾向にあり、2018年卒は前年より+0.04ポイント上昇。
[ii]企業にとっては短い期間の中で多くの学生を選考しなくてはならないという厳しい状況が続いています。
そこで今回は、すでにオープンしている新卒採用サイトの中でも「クリエイティブだ!」と感じたサイト5つをご紹介。
クリエイティブな新卒採用サイト5選
動画とメッセージの融合
リクルートホールディングス
~keep your weird~ 直訳すると、「あなたの奇妙を保つ」という衝撃的なメッセージのあと、日常をにおわせる幻想的な映像が流れます。
スクロールに合わせ下からメッセージが流れてくる仕組みで、映像とメッセージがうまく融合しています。
さらにスクロールしていくと、一発目から先輩たちのインタビュー記事が登場。スクロールに合わせて写真や文字の一部が動き、目を引きます。写真を少しずらしたデザインもおしゃれです。
インタビュー記事では、先輩たちの日頃の仕事内容や仕事に対する熱い思いがつづられ、興味のある学生にとっては入社意欲が高まりそうなコンテンツです。
遊びごごろが楽しい
日清食品ホールディングス株式会社
日清食品グループ2019年度新卒採用サイト – Nissin
地球をバックに、なぜか次々とチキンラーメンやらどん兵衛やらが飛んでくるデザイン。
ファーストビューでは、まっ白な背景に、黒字でメッセージが浮かんでくるだけの「白黒な世界」から始まりますが、その後地球が登場。
画像の一部だけがアニメーションで動くシネマグラフがうまく使われ、自然と「飛んでくる日清食品」に目がいってしまいます。
「あれもこれも、日清食品だったんだ!」と改めて知ることができますが、見ているうちに「あ~チキンラーメン食べたいなぁ…」なんて思ったり。
これは、すでに胃袋を制されているのかも…
地球登場後は上部のナビゲーションバーだけでページ遷移するという非常にシンプルなデザインですが、マンガでカップヌードルの歴史を知ることができたり、仕事紹介に文系理系グラフが使われていたり、「当社への好奇心を更に刺激する」というサイトコンセプトに沿ったコンテンツが満載です。
あえてのモノクロで差をつける
Cygames
Cygames Recruit 2019 | サイゲームス 新卒採用
サイト内全てのコンテンツが白黒で作られています。「最高のコンテンツを作る会社」と宣言するだけあって、逆に目を引く大胆な戦略です。
サイトの構成は、至ってシンプル。ファーストビューで流れる動画以外は、ほぼテキストのみで構成されています。フラットデザインはスマホで見た時に分かりやすいので、その点を意識しているのかもしれません。
シンプルだからこそ、Cygamesが伝えたいこと・求めているものがメッセージとしてしっかりと伝わり、明確で分かりやすいサイトになっています。
ミッションステートメントの第一声が、「みんなでたくさんゲームをやる」というのも、楽しそうな会社だな~という印象を受けますし、この業界で極めたいと思っている学生にとっては、夢のような言葉ですよね。
言葉遊びが学生にウケそう
Sky株式会社
「行動力」を、「好働力(好きだから働く)」と漢字をかえて表現しているのが、流行語好きの学生にウケそうです。
サイトは全体的にコーポレートカラーの青でまとめられ、統一感のあるデザインになっています。ITの会社だからか、「働き方改革」による長時間労働の抑制や社員定着率などの情報がさりげなく書かれていて、働きやすい環境がアピールされています。
「新入社員の声」として各部署ごとに、総勢約70名の「入社を決めた理由」が紹介されています。他人からみた会社の印象を知ることが出来ますし、短い面接の中では知ることのできなかった情報が転がっているかもしれません。これ程多くの先輩に話を聞ける機会はなかなかないですから、就活生にとっては貴重なコンテンツでしょう。
にぎやかでかわいい
ソニーミュージック
ソニーミュージック新卒採用2019<世界を君がおもしろくするんだ>
ファーストビューでは、音波をイメージしたような曲線とグラデーションだけで表現された世界観が印象的です。映像を眺めていると、音の世界に引き込まれるようです。
途中スクロールを促されるのでスクロールしてみると、最初の印象とはがらりと変わり、アニメーションやパララックスを多用した、にぎやかでかわいいデザインがあらわれます。
原始時代から、現在、未来へとつづき、エンタメの歴史を楽しみながら学べるコンテンツになっています。
未来「世界はどんどんおもしろくなっていく。」から、「あなたもソニーミュージックで挑戦しませんか?」と自分へのメッセージ現れ、突然世界から自分に視点が移ることで強いメッセージ性が感じられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
何サイトか比較してみると、スクロールによって文字やコンテンツが現れる「パララックスエフェクト」を使い、メッセージ性やストーリー性を強調したサイトが多いことが分かります。ファーストビューで、写真や動画を画面いっぱいに表示するパターンも多く、より直感的にユーザーの関心を引きつける工夫がされているようです。インスタを活用する企業も増えてきたように思います。SNSを通じてより深く会社を知ってもらうことで、入社意欲や親近感を高められるよう努力しているように見えますね。
検索上位からサイトを見ていると、どこもパララックスエフェクトや動画・SNS活用などをこぞって使用していることが分かります。ここ数年のトレンドは2019年も継続のようです。
しかし本当にトレンドを追うだけでいいのでしょうか?
たしかに「クリエイティブ」なサイトは印象に残りやすいですが、大切なのはそれだけではありません。
日々多くの採用サイトを見ている就活生にとっては、求める情報があるか・内容が理解しやすいかも重要な要素ではないでしょうか。就活生は、電車での移動中や待ち時間などにスマホで検索する場合が多いので、その点を意識してのデザインも大切ですね。
企業にとっては、確実に欲しい人材を獲得するためにも、企業の求める人材・意欲関心の高い人材に訴求できているかを意識し、採用につながるサイトを目指す必要がありそうです。
[i]一般社団法人日本経済団体連合会(2017年4月13日)「2019年度入社対象の「採用選考に関する指針」を公表」http://www.keidanren.or.jp/journal/times/2017/0413_02.html
[ii] 株式会社リクルート(2017年4月26日)「第34回ワークス大卒求人倍率調査(2018年卒)」http://www.recruit.jp/news_data/release/2017/0426_17338.html