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電子書籍時代でも人気を失わない、特徴的な本屋さん

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電子書籍時代でも人気を失わない、特徴的な本屋さん

出版業界を大きく揺るがしている電子書籍の部数は、ここ数年で飛躍的に成長しています。 例えば今雑誌は月額数百円で約200冊が読み放題ですし、何百ページもある分厚い書籍もスマホ1つで読めるようになりました。
 
そもそも電子書籍とはいつスタートしたのでしょうか。

電子書籍の現状

「“電子機器”で書物を読む」というところでいくと、1990年代に始まっています。その後2000年代に電子書籍の有料メディアが始まり、2007年にはAmazon社のKindle、2010年にはApple社のipadが発売されたことで電子書籍が世に大きく知れ渡ることになりました。
 
それでは紙媒体と電子書籍、それぞれの売上げはどのように推移しているのでしょうか。
世界市場で見ると2015年の電子書籍の売上げは約99億ドル。2011年の約40億ドルから4年間で2.5倍に拡大しています。
 
一方2015年の紙の書籍の売上げは約463億ドル。シェアはまだまだ大きいものの、2011年の売上げを見ると約506億なので、8%ほど縮小していることがわかります。
※データ参照元:電子書籍が変える読書 世界市場4年で急成長|日本経済新聞
 
また、最近では書店のない自治体も増えていて、2017年7月31日現在では全国に417もの自治体が書店を持っていないそうです。
 
最近ではインターネットで紙の本、電子書籍、どちらの購入もできますし、わざわざ本屋まで行って・・という意見もあるのかもしれません。
また、購入前にレビューを見て検討することも可能です。私の地元でも昔から通い慣れた本屋さんがつい最近なくなってしまいました。
 
しかし本屋に行くことで思いがけないジャンルの本と出会えたり、興味あるない関わらずいろんな情報が入ってきたりします。子供の頃から本に慣れ親しんでいる人は特に、「書店に出向いて紙の本を買いたい」という想いが強いようです。
 
また、ノルウェーの大学の研究によれば、内容を記憶しているかどうかという点では、電子書籍より紙の本のほうが優っている結果がでているそうです。
 
そうなると、本屋に行く人というのは前提として本を読むことが好きな人であり、いくつになっても知識や教養を積んでいる人であることが考えられます。
 
それではそんな読書好きをも唸らせる、今の時代に人気の本屋さんとは一体どのような本屋さんなのでしょうか。

①”読んでほしい”想いが伝わってくる本屋

本屋に行った時の楽しみといえば、特集コーナーやPOPに書かれている本の紹介文。出版社の方が売りたい本を戦略的にPOPにするケースもありますが、中には書店の人が自ら「これを読んで欲しい・・!」という想いを持ってPOPにすることもあるそうです。
 
本屋に来る読者の多くは本好きなので、”売りたい”POPなのか、”読んでほしい”POPなのかはすぐわかります。普通のPOPと一線を画すには、書店の人の「本に触れてほしいという想い」が含まれているかどうかが重要になっています。
 
中にはPOPのおかげでベストセラーになった本もあります。
有名なのは『白い犬とワルツを』。当時全然売れていない本でしたが、千葉県習志野市にあるブックス昭和堂の副店長、木下和郎さんがこの本を読んで感動し、POPをつくったことで一躍有名になりました。

白い犬とワルツを
引用元:出版業界の豆知識

また、ビビッドな黄色で印象的なヴィレッジヴァンガードのPOPも端的で惹きつけるものがあります。私は過去に全然興味のなかったジャンルの本を買ってしまったことも。まぁそれが本屋に行く醍醐味だったりするのですが。

②独自の世界観を持つ本屋

見た目にも楽しい、大人のワクワクが詰まった本屋さん『BOOK AND BED』があります。
 
最大の特徴としては「泊まれる本屋」であるということ。友達の家に泊まりに来ているような感覚をコンセプトにしているだけあって、本のジャンルはいい意味で雑多にセレクトされています。
 
本棚の間にはなんと、寝れる押入れスペースがあります。子ども時代に憧れていた押入れで寝るという行為(これは完全ドラ●もんの影響)がまさか大人になってできるなんて…成人の心を鷲掴みする本屋さんです。

③職人魂の詰まった本屋

北海道砂川市の田舎町に全国から注文が殺到する『いわた書店』があります。
 
ここの本屋さんは『一万円選書』という、忙しくて本屋に行けなかったり、同じような本を選んでしまう人のために、その人に合った本を選んでくれるサービスを行っています。
 
本屋さんに出向いても、書店員の方にオススメを聞くという機会自体なかなかないと思いますが、このサービスはとても人気で、年に数回実施される抽選に当たった人(1回約70名)だけが利用できるそうです。
 
ちなみに次の抽選は10月10日(火)午前9時~12日(木)午後5時の3日間。私も応募してみようと思います!

出会わせてくれる本屋さんがアツい!

今回ご紹介した本屋さんは、紙媒体や電子書籍といった本を読む手段にこだわった本屋さんではなく、消費者の生活範疇や経験値では出会いきれない本と出会わせてくれる環境を提供しています。
 
また、見た目にワクワクさせるようなフォトジェニックな本屋さんだったり、独自のサービスが話題を呼んで全国から注文が止まらない本屋さんだったりと、どれもうまくアナログとデジタルを取り入れているという印象を受けました。
 
昔に比べて活字離れが深刻ですが、こういう”出会わせてくれる本屋”さんがあると、新しい発見があって面白いですよね。

ちなみに弊社では福利厚生で『(紙の)書籍購入支援制度』を取り入れています。
また、会社の本棚には定期的に書籍が追加されています。
 
扱っている商材はデジタルですが、調べ物やインプット方法はアナログです(笑)対象書籍はもちろん業務に関連することが前提ですが、本に触れる機会が増えるので社内でも好評です。

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Livewire 編集部Livewire 編集部
Web、マーケティングに携わる方々へのインタビューを通して、ビジネスの背景やお考えをご紹介します。今後は、他の分野にも取材先を広げていく予定です!
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